少子高齢化、人口減少…日本経済、繁栄持続の道は(産経新聞)

 ■伊藤元重氏インタビュー

 少子高齢化および人口減少が経済に与える影響が懸念されている。日本が繁栄を持続させるには、どうすればよいのか。東京大学大学院経済学研究科の伊藤元重教授に聞いた。

     ◇

 −−少子高齢化で、日本経済はどうなるか

 「少子高齢化が進むと、大量の人材を投入して大量に生産し、輸出する従来モデルは成り立ちにくい。ひとつのカギはアジアの人材の活用だ。メーカーであれば、コアの技術や製品開発など、レベルの高いものは日本に残しつつも、できる限り大量にモノをつくることは海外にシフトしていく。グローバルなアウトソーシングだ。アジアでは日本製品を需要する中間所得層が増えている。これまでは、日本人による日本人のための日本国内での産業で、輸出されてきたが、自動車だけでなく、食料品やサービス、化粧品など日用品の幅広いアジア展開がカギとなる」

 −−国内産業は

 「国内の空洞化のリスクはある。これまで建設土木や流通サービス、製造業でも下請け企業が雇用を支えてきたが、国内需要だけみると、これからは雇用を支えるだけの需要をつくるのは非常に難しい。海外展開する製造業とは別に、国内で雇用を生む産業を作っていかなくてはならない。医療や介護、環境、観光。個人的には医療・介護分野が重要とみる」

 −−なぜ医療・介護か

 「今でも医療だけで40兆円を使っている。高齢化が進むとさらに医療・介護に対するニーズは膨くれあがる。これに応えるのが重要だ。お役所丸抱えの社会主義的な医療・介護を、国の関与は重要だが、産業として活力が生まれるような形に作り替えることが重要だ。少子高齢化時代に対するニーズに応える産業を作るという利益と、その過程で企業にノウハウや医療機器を輸出するチャンスがあるので、一石二鳥だ」

 −−医療・介護の産業化のイメージは

 「この分野の性格から、すべてを競争にさらせばいいわけではない。政府の役割は重要だが、供給サイドと需要サイドの両面からの対応が必要だ。いわゆる高度医療のようなものをもっと集約して、専門化のメリットを生かすような大改造が必要だ。そのためには国家的観点から集約を進める。普通の産業では合併は当たり前だが、医療はできないので政府のリーダーシップが必要だ。医師と患者の数は変わらない。より多くの医師が専門でやっているところに集約化していく。何でもかんでも、より豊かにやればいいという、経済原則を無視した医療は難しい。サプライサイドではいろいろ改革しなくてはならないし、それにはマーケットメカニズムが必要だ」

 −−もう少し具体的に

 「例えば混合診療的な発想だ。医療保険の範囲外の追加的サービスは国民がプラスする形で自分で金を払って受ける。がんの治療法など新しい技術を混合診療の対象にし、それが普及すれば保険に組み入れるなど、柔軟性を持たせた方がいい。診療所と病院のすみわけも考えるべきだ。軽い風邪は大病院でなく、まずかかりつけの医者に行く。日本は国民皆保険で病院へのフリーアクセスが保証されているが、医療界では『フリーアクセスと医療の質、コスト削減を同時に満たすのは不可能』といわれている。あるいは電子カルテと電子レセプトなど、さまざま現場の医療情報を集約して分析する。全国のがん患者の情報を集約し、どういう治療を受け、成果はどうだったかがわかる。情報をフル活用すると医療の進歩にも役立つ。中長期的には、医療機関を海外に開放もし、外国人が日本で医療を受ける『医療観光』を進める。アジアの中間層には富裕層が増えており、潜在的需要は高いと思う。海外の需要も取り込み、医療を大きな産業に育てる」

 −−伊藤教授が提唱している「健康貯金」とは

 「健康や医療関連のみに使途を限った貯蓄制度だ。シンガポールで実施している。例えば年収1000万円の人が100万円を貯蓄すれば、100万円は税金の控除対象とする。金利はつく。貯金上限は設けない。貯金全額の相続も可能にする。国民は病気予防など健康のために貯金を使う。予防が普及すれば医療費の削減にもつながる」

 −−医療を産業として発展させても、医療費の財政負担はどうするか

 「医療で難しいのはファイナンスをどうするかだ。75歳以上の医療費は10兆円を超え、まだ膨らむ。その負担はどうしても現役世代の負担にならざるを得ない。一部は税金で、これは現役世代。残りは保険組合などの負担になる。それでも払いきれない分は政府が借金する。これは将来の世代の負担になる。国民全体でどうカバーするか。個人的には1400兆円ある個人金融資産を活用することが可能と考える。個人金融資産の7割を持つのは65歳以上の高齢者だ。一方で相続税は控除の関係で約96%の人が事実上払う必要がない。だから相続の際に消費税をかける。それを全部75歳以上の医療費に回すような仕組みがあると、若い世代の負担を軽減できる。これのいいところは、高齢者から一銭も取らないこと。高齢者にもフェアだと思う」

 「医療だけでなく、増税なしで日本経済を元気にするのは難しい。日本は医療費のほか、高等教育や科学技術、介護、保育への国の支出が先進国の中でも低い。税負担が低いからだ。税負担が少ないことを誇りにして他がボロボロという社会をわれわれが求めているかというと、そうではないだろうと思う。北欧ほどに税金を大きくするわけではなくても、日本がこれから繁栄していくポイントは少し増税し、それを使うことだ。経済学で『均衡財政乗数』というのがあるが。50兆円増税して、50兆円を福祉や医療、公共事業、教育に使えば、景気は50兆円よくなる。日本の今後の発展のイメージは50兆円増税し、そのうち40兆円を使う。人口減少を想定した街づくりを考えれば公共事業も必要。科学技術も必要。残り10兆円を借金返済に回す形にする。供給と財政の両サイドを両輪とし、需要をつくりながら改革することで新しい分野を生み出さなくてはならない」

 −−少子高齢化社会の雇用の在り方は

 「すべての分野で若い高齢者が働くということになればいい。日本は1980年代まで終身雇用や年功賃金が機能した。だが今のような時代になると、正規社員を1人雇うとその人をクビにできない。雇用の流動化をどう進めるかだ。北欧型に少し近づけて、企業に雇用責任や社会保障負担を押しつけるのをやめて、企業にはひたすら競争してもらう。雇用支援や社会保障は国がしっかり税で負担し、その棲み分けをしっかりして転職しやすくする。高齢者の年金が企業をつぶすことがないようにしていかないといけない。高齢化が問題ではなく、高齢化にもかかわらず高齢者の負担を企業や若者がかぶっている仕組みが破綻(はたん)しているので、それを変えていくのがポイントだ」

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新臨床研修制度「トップランナーが育たない」―嘉山氏が講演(医療介護CBニュース)

 山形大の嘉山孝正医学部長は2月17日、慶大医学部で「医学教育の現況と問題点」をテーマに講演した。新医師臨床研修制度について、「一番の問題は卒業生全員に強制させた」ことだと指摘。「(研修医は)イージーなところへ行っても『飯が食っていける』と分かり、トップランナーが育たなくなった」と述べた。

 嘉山氏は、新医師臨床研修制度について、全員に強制したため「大学病院に若い医師が戻って来なくなり、日本の医学研究が崩壊した」と指摘。「あっても良いと思うが、強制しないでほしい」と訴えた。

 また、米国の教育制度について、「レジデント(研修医)教育まではすごいが、その後はコンペティション(競争)」だと指摘。理事会決定による人事異動が多く、医師同士の競争が激しいため、教授が准教授の手術の指導さえしないとした。一方日本では、教授は准教授、准教授が講師を教える「屋根瓦方式」の生涯教育を行っており、「(競争主義の)アメリカの教育制度を持ってきても駄目だ」と主張した。


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「最高の笑顔見られた」 伊藤みき、地元・滋賀で大声援(産経新聞)

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  [フォト]決勝を滑り終え笑顔の伊藤みき

 予選通過の際には割れんばかりの拍手。名古屋市から駆けつけた祖母の伊藤妙子さん(75)は「ドキドキしていました」とホッとした様子だった。

 決勝では、トリノ大会の20位を上回る12位の結果に、「よく頑張った」「お疲れさま」の声が飛び交った。

 近江兄弟社高校2年の野田みなみさん(17)は、「先輩として尊敬します。これからも頑張ってほしい」。中学の同級生の安田有仁子さん(21)は「みきの最高のスマイルが見られてよかった。本当にお疲かれさまと言ってあげたい」と話していた。

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<連続保険金殺人>元看護師側、死刑回避求め結審(毎日新聞)

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 弁護側は「吉田被告は首謀者ではなく、心から謝罪している。死刑はあまりに重すぎる」と強調。検察側は「発案、計画、実行のいずれの段階でも中心となり、利益のほぼ全額を手にした」として上告棄却を求めた。

 1、2審判決によると、吉田被告は97〜01年、共謀して仲間の夫2人を殺害し、死亡保険金など計約7250万円をだまし取るなどした。仲間のうち2人はそれぞれ無期懲役と懲役17年が確定し、1人は公判中に病死した。【銭場裕司】

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利用客の本人確認義務化=ネットカフェ条例案提出へ−全国初、罰則も規定・警視庁(時事通信)

 インターネットカフェの匿名性や密室性を利用した犯罪が続発する中、警視庁は17日、利用客の本人確認義務などを定めた全国初の規制条例案を明らかにした。2月都議会に提出され、成立すれば7月1日から施行される。
 条例案によると、東京都内の個室や個室に準じた閉鎖的施設を設けたネットカフェなどについて、都公安委員会への届け出制を導入。運転免許証などによる利用客の本人確認や利用記録の作成、保存を義務付けるほか、客にも住所や名前などを偽ってはならない義務を課す。
 記録するのは、どのパソコンを利用したかなどで、保存期間は3年間。サイトの閲覧履歴やメールの送受信内容などは記録しない。セキュリティーソフト導入や防犯カメラ設置などの環境整備も努力義務とした。
 都公安委は違反した業者には必要な指示をし、従わない場合には営業停止命令も可能。1年以下の懲役や100万円以下の罰金などの罰則も規定した。 

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耐火素材使わず、火の回り数倍に…たまゆら火災(読売新聞)

 群馬県渋川市の高齢者施設「静養ホームたまゆら」で2009年3月に起きた入所者10人が死亡した火災で、同施設が、実質的に有料老人ホームでありながら、壁や天井に建築基準法に定められた耐火素材を使用していなかったため、火の回り方が数倍早まっていたことが11日、捜査幹部への取材でわかった。

 渋川署捜査本部は、業務上過失致死容疑で10日に逮捕した、同施設を運営していたNPO法人「彩経会」の理事長高桑五郎容疑者(85)(渋川市北橘町八崎)らのずさんな施設管理を裏付ける事実として重視している。

 捜査幹部によると、同施設は、避難経路にあたる通路などの壁にベニヤ板、天井にベニヤ板とビニールの波板を使っていた。「違法素材」は、建築基準法で定められた建築確認申請をせずに増改築された部分で多く使われていたという。高桑容疑者は逮捕前、取材に対し「違法性の認識はあった」と話していた。

 群馬県警は昨年11月から千葉県内の警察関連施設に建物の一部を再現し、耐火構造素材を使用していない場合に、火の回り方に違いがあるのかを調べる燃焼実験を重ねてきた。

 また、捜査本部は11日、高桑容疑者と、同じく10日に業務上過失致死容疑で逮捕した当時施設長だった理事久保トミ子容疑者(73)(前橋市南橘町)の自宅や「たまゆら」事務所など計7か所を捜索、約30点の資料などを押収した。

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支持率「気にしない」=自民総裁(時事通信)

 自民党の谷垣禎一総裁は8日、岐阜市内で記者会見し、報道各社の世論調査で同党の支持率が伸び悩んでいることについて「細川政権の時も(再び)政権を取るまでなかなか支持率は回復しなかった。過度に気にする必要はない」と述べた。
 谷垣氏は、夏の参院選比例代表での投票先として、民主党と自民党の差が縮まった調査結果もあるとした上で、「トレンドは少しずつそういうところに出ている」とも指摘した。 

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<「梁山泊」脱税>代表と2社を起訴…大阪地検特捜部(毎日新聞)

 パチンコ情報会社「梁山泊」グループの脱税事件で、大阪地検特捜部は8日、法人税法違反容疑で逮捕したグループ代表の豊臣春国容疑者(59)=札幌市中央区=とグループ会社2社を同法違反罪で起訴した。グループ幹部(45)と経理担当者(55)は、起訴猶予処分にした。

 特捜部などによると、豊臣被告は起訴内容を認め、「簿外の借入金の返済や新事業への投資に金を使った」と供述。生活費などにも充てたという。

 逮捕時、脱税額は約4億3000万円とされたが、特捜部は2社が支払った簿外の借入利息などを経費として認め、起訴された脱税額は約1億5000万円少ない約2億8000万円となった。

 起訴状などによると、豊臣被告は架空仕入れを計上するなどの手口で、グループ会社「ビジネス・ジャパン・ウエスト」と「HAL21」の04〜06年の所得約9億4000万円を隠し、約2億8000万円を脱税したとされる。重加算税は約9900万円に上る見込み。【久保聡】

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雅子さまご体調「医師団見解」全文(上)(産経新聞)

 皇太子妃雅子さまの病状について、宮内庁東宮職が5日に発表した「医師団見解」は以下の通り。

                   ◇

 宮内庁の依頼を受けた東宮職医師団が皇太子妃殿下のご病気ご治療に携わり始めた平成16年6月から5年半が経過しました。

 妃殿下におかれましては、この間に、着実にご快復に向かわれております。これは、ご本人の並々ならぬご努力はもちろんのことですが、皇太子殿下のしっかりとしたお支えのもと、天皇皇后両陛下をはじめとして多くの皆さまのご協力によるところが大きいものであります。東宮職医師団としては、この機会に、ご治療経過について包括的な説明を行うとともに、長期的な視野に立っての展望についても言及したいと考えます。その関連で、東宮職医師団は、今回の東宮職医師団見解の発表が予定より大きく遅れましたことをお詫び申し上げます。

 【1】これまでのご治療と経過

 (1)ご病名の確定とご治療の開始

 東宮職医師団は、妃殿下のご病状を、アメリカ精神医学会の公的な診断分類である『DSM−IV精神疾患の診断・統計マニュアル』に基づいて「適応障害(不安と抑うつ気分の混合を伴うもの、慢性)」と診断いたしました。これは、大うつ病性障害(いわゆる「うつ病」)をはじめとする気分障害の診断基準を満たさず、複数の明らかなストレス要因が発症の契機として認められたことから診断したもので、ストレスの軽減を目的とした環境調整と精神療法、そして少量の薬物療法を使って治療を開始しました。

 一部には、「適応障害」が大うつ病性障害と比較して軽症であるかのような誤解に基づいた意見が出されたこともありましたが、ご病状の発表に使用しましたDSM−IVの1軸診断(精神疾患名の診断)は症状の程度を表すものではなく、あくまでも症状に基づく分類の診断です。当時の妃殿下のご病状の程度は、精神的・身体的エネルギーが低下されてお住まいからお出になることもできないほどに深刻なものでした。 そうしたご病状に関しまして、東宮職医師団は、妃殿下の受けてこられたストレスが大きいことによるものと判断しました。

 (2)これまでのご治療の経過

 (イ) 皇太子妃殿下が5年半前とは較べられないほどに良くなられた背景として、まず、妃殿下が、元々精神的な健康度が非常に高くていらっしゃる上に、ご快復に向けて驚くほど努力され工夫されたことが挙げられます。また、何かにつけご相談をされている皇太子殿下が一貫して温かく支えてくださっていることや、愛子内親王殿下との愛情あふれる触れ合いがおありになることも大きな力になっています。妃殿下は、愛子内親王殿下が毎日を安心して楽しくお過ごしになれるように心を砕いておられ、内親王殿下が健やかに成長されていることが大きな喜びになっていらっしゃるようにお見受けします。

 (ロ)妃殿下は、精神的に余裕が出てこられ、ストレスを感じ悩まれることがおありになっても、比較的早く立ち直られるようになっていらっしゃいます。その結果、公私を問わずご活動の幅が広がってこられ、ご公務へのご出席も徐々に増えてこられました。昨年には、天皇皇后両陛下のお祝いの諸行事への出席がかなわれ、1月には、神戸での阪神・淡路大震災の15周年追悼式典にも出席することがおできになりました。こうした大切な行事へのご出席は、事前のご体調の調整を含め、様々なご準備に大変なご努力を必要とされますが、その一方で、妃殿下にとって心の力を取り戻すご体験になっているものと拝察しております。この他、国連大学でのご聴講に加え、児童福祉施設文化祭や児童養護施設へのご訪問、小児科病棟での動物介在活動への飼い犬の参加のお手伝いなど、妃殿下が常々心を寄せられている社会や人の役に立つご活動が徐々に可能になってきていらっしゃいますが、これは妃殿下のご治療にとっても役に立つものであります。

 (ハ) 妃殿下がご自身のご活動に自信を回復されるようになるためには、安心してご活動いただける環境も重要です。環境に関して、東宮職医師団は、妃殿下が過去に、私的なお楽しみよりもご公務などのお仕事を優先されてこられたために、意識されないうちに心理的な閉塞感を強く感じられるようになられた面があると考えました。また、妃殿下には、お立場上自由な外出がかなわないために必然的に情報遮断や感覚遮断の状態になられ、それ自体がストレスになるだけでなく、ストレスに対する抵抗力を弱めることになったとも考えました。こうしたことから、妃殿下には、人目に気を遣わずにお出ましになれるような環境の中で、気力や体力の充実につながるような私的活動を増やしていっていただくことが重要だと考えてお勧めして参りました。その過程で、公私にかかわらず、妃殿下のご活動の場面で報道関係の皆様にもお願いをしてご協力いただいて参りましたが、今後ともぜひご理解とご協力をいただければありがたいと考えております。

 (ニ) 安心できる環境作りは、妃殿下のご活動とご生活の全ての側面に関わることであり、その意味で多くの関係者の協力を必要とします。とくに、妃殿下を直接にお支えする東宮職の体制については色々な角度から体制の見直しの必要性を指摘させていただき、多くの改善が見られ、それらが妃殿下のご快復に役だっております。しかしながら、数多くある東宮御所内の日々のご負担を軽減できるような仕事の効率化など、さらなる改善が必要なところも残っており、ご検討いただいているところです。

 【2】今後の展望

 (イ) 妃殿下のご快復はずいぶん進んでおりますが、なおご体調には波がおありで、ご活動のご準備に大きなご努力が必要であったり、ご活動の後に疲れがお出になったりするなど、いろいろなご活動を続けてはまだおできにならない状態にいらっしゃいます。また、ご自身は努力しようとされても思うようにいかないこともありますし、無理をされてかえってご体調を崩されることもあります。そのようなときにも、周囲の方々のご理解と支援はとても重要です。一般に、患者さんが治療に取り組み、それが実を結びつつあるときには、できていないことではなく、小さなことでもできたこと、あるいは努力していることが認めてもらえるような、安心できる温かい環境が不可欠です。妃殿下のご治療に関しましても、ぜひ、その点を皆様にご理解いただければと考えます。

 =(下)に続く

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